2011年5月10日火曜日

<就職活動>早期化?長期化 「協定復活」経済界に慎重論 大学生は「学業に支障」と悲鳴

 12年春の就職を目指す大学3年生の就職活動(就活)が本格化している。「早期化?長期化」する就活で、学生が本分の学業や課外活動に集中できない事態を招いている。経済界の一部には、採用活動の開始時期を遅らせるべきだとの声もあるが、慎重な声も根強い。

 厚生労働省などの調査では、来春卒業予定の大学生の内定率が57?6%(10月1日
現在)と、調査を始めた96年以降最低となる「異常事態」(大学関係者)が続いている。

 12年春の就職希望者を対象にした「就職EXPO」(毎日コミュニケーションズ主催)が11月20、21日、東京都内で開かれ、4万3000人の学生が集まった。人気の企業ブースには、立ち見の人だかりができ、入りきれない学生が列をなした。

 
国際基督教大3年の小野崎洋太さん(21)は「会社説明会のネット受け付けは平日の昼間に始まることもあり、授業に出ていて定員オーバーで締め切られたこともある。まじめに勉強する学生が不利になるのは納得いかない」と不満を漏らす。学業と就職活動の両立が難しくなっている。就活で授業を欠席しても不利にならないよう配慮する大学も増えているが、高崎
健康福祉大3年で栄養学を学ぶ猪鹿倉愛さん(21)が「実験や実習が途切れると自分自身が困る」と語るように、学業を大切にしたいとの声は強い。

 一方、就活が早まる中、内定を取ること自体が目的化するケースも目立つ。会場を訪れていた都内私立大3年の田中大介さん(20)=仮名=は「内定をもらえたら、勉強も自分を磨く努力もやめてしまい エルソード rmt
そう」と本音を明かす。

 日本私立大学連盟キャリア?就職支援分科会長の吉原健二さん(関西大キャリアセンター事務局長)は「学生はゼミで学んだり、専門の研究を通して成長する。専門のテーマさえ決まらない段階で、企業はどうやって学生の資質を見極めるのか。学生としての醍醐味(だいごみ)を味わう前に学業も課外活動も投げ出させる今の就活は マビノギ rmt
異常」と批判する。

 96年で終わった経済界と大学側との就職協定は、4年生の会社訪問が7月1日に解禁され、内定を10月1日に出すルールだった。しかし罰則なしの紳士協定だったため、企業が何カ月も前から内々定を出す「青田買い」が横行。その後も就活スケジュールの前倒しが続き、現在は3年生の6月ごろからインターンシップ(就業体験) リネ2 rmt
が始まり、10月から会社説明会や企業に名前を登録する「エントリー」の受け付けがスタートする。人気大手企業の内々定は3年生のうちに出始め、4年生の4月ごろピークとなるという。

 11月22日、文部科学省主催の懇話会で、企業側と大学側の関係者らが非公開の場で、就職採用活動に関して意見を交わした。大学側から「現在の就職活動の在り
方では学業に悪影響が及び、優れた人材を社会に送り出せない」といった意見が出されたが、企業側は「理解できるが、かつて就職協定が形骸化した。みんなが守れるルールを作らねば意味はない」と、議論は平行線をたどった。

 商社でつくる日本貿易会が採用活動を現状から4カ月程度遅らせる案を取りまとめた。文科省での懇話会に出席した大学関係者 MBT
は「企業側は建前で改革を訴えているようにも見える。産官学が本気にならなければ、状況は変わらない」と訴えるが、日本経団連の米倉弘昌会長が慎重な姿勢を示すなど、財界の反応は一様ではなく、新たなルールはまだ見えないのが実情だ。【丹野恒一】

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引用元:アトランティカ rmt